第3部 その他の一般諾行事 第11節 長寿の祝 長寿者に対して敬意を持つことは東洋の美風である。それを信仰的に取り扱うことは、老人にとっては感謝となり、若人にとっては長寿者を敬う善行となる。この美挙を、各家庭において、または教会で婦人会の主催として行うとよい。 左に、それに関する行事四種類を取り上げ、その中から還暦の祝だけを詳細に説くことにした。これを他の祝にも応用することができる。 1 還暦の祝(数え年61歳) 60年で再び生れたときの干支に帰ることから還暦という。「本卦還<ほんけがえり>」ともいう。 2 古稀の祝(七十歳) 昔には、40歳以後は10年を加えるごとに長寿を祝う風習があった。古稀ということばは、中国詩人杜甫の曲江詩中の「酒債尋常行く処あり、人生七十古来稀なり」という句から来ている。 3 喜寿の祝(77歳) 喜の字の草書体が七十七に見えるところから来ている。「喜の字の祝」ともいう。 4 米寿の祝(88歳) 八十八を重ね合せると米の字になるところから来ている。ある地方では、「はちぼこ」(八木<はちぼく>=米の字を分ければ八木となる)と称して、餅をついて祝う風習がある。「八十八歳の賀」とか「米<よね>の祝」ともいう。 還暦の祝賀会順序 賛美 聖歌 292「きょうまでまもられ」 同 588「主とともにあゆむ」 勧告(司会者はその祝についての理由を述べ、本人を中心とした神への感謝と喜びと恩寵のあかしとをもってお勧めをする。) 聖書 詩篇71篇1-9節,16-20節(敬老会の項にある。) コリント人への手紙第二、4章16-18節 ですから、私たちは勇気を失いません。たとい私たちの外なる人は衰えても、内なる人は日々新たにされています。今の時の軽い患難は、私たちのうちに働いて、測り知れない、重い永遠の栄光をもたらすからです。私たちは、見えるものにではなく、見えないものにこそ目を留めます。見えるものは一時的であり、見えないものはいつまでも続くからです。 祈祷 恵みに富みたもう天の父なる御神よ、あなたの深いご摂理によって、この世に生を享けてから60年(70年、77年、88年)の間格別なご保護とご指導により、肉体の健康も守られて今日まで至りましたことは、実に驚くべき恵みのゆえと、衷心から感謝いたします。その間、多くの友人、知人がこの世を去って行きましたが、全能者の御手は堅く私を支え、幾度かの病をいやし、たびたびの危険から助けてくださいました。かくして、「神を愛する人々、すなわち、神のご計画に従って召された人々のためには、神がすべてのことを働かせて益としてくださることを、私たちは知っています」とのパウロの信仰告白を身をもって体験させられて今日ある恵みを深く感謝いたします。 今後ゆるされて世におられるわずかの時を、聖霊の導きと援助とを受け、祈りつつ与えられた使命を全うして、御前に立つことができるようにしてくださる恵みを信じ、御名をあがめます。 今日のこの日を期して決意を新たにし、信仰と服従の生涯をたどることを得させてください。しかしてご再臨の主をますます慕い求め、主の花嫁としての一切の備えを全うし、待望生活を送る者としてふさわしくしてください。主イエスの尊い御名によってお祈りいたします。 アーメン。 賛美 聖歌 461「ながしたまいし」 同 595「目には見えねども」 証言(本人の所感、信仰生活のあかし) 賛美 聖歌 581「したいまつる主の」 主の祈り 頌栄 祝祷